2015年04月03日

4月3日付週報

4月3日付週報(金曜東京終値によるフォワード為替、フラット為替、シンセティックFWDの比較、円スワップ金利、個人向け変動10年国債の期待利率)を更新しました。

↓こちらのウェブにアップしてあります。
4月3日付週報
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2014年11月12日

HVから見た翌営業日の期待レンジ

為替や株価のヨーロピアン・オプションは、金融デリバティブズの最も基本的な商品の一つですが、その標準的な価格算出モデル(=ブラック・ショールズ式)では、為替(或は株価)が対数正規分布に従うと仮定します。つまり、為替・株価の日々の変動率(収益率)が正規分布に従うと考え、ボラティリティは、期待変動率を表します。

ここでは、過去100営業日にわたり、計算時点から1ヶ月の終値データからHV(ヒストリカル・ボラティリティ)を計算し、それをもとに計算時点の翌営業日のレンジを予測し、実際の終値と比較してみました。以下の表が結果です。

1112-a1.gif
1112-a2.gif

例えば、11/7の期待値は、11/6の終値(16792.48と115.20)とボラティリティ(30.05%と12.97%)を基準に計算されます。11/6の時点で11/7の終値が±1σ内(16,527-17,055 114.42-115.98)に収まる確率は68.76%。また、95%の確率で±1.96σ内(16280-17315、113.67-116.74)に収まることを示しています。実際の11/7終値は16880.38と114.60で期待通りの結果でした。

上記の結果をまとめると以下の通りになります。

1112-b.gif

つまり、1σ内に収まることは68.76%期待されていたわけですが、実際には65%程度、また1.96σ内に収まることが95%期待されていたわけですが、実際には85%程度でした。これを見るにつけ、市場が動くときは予想より変動が大きくなるものだとの印象を持ちます。

金融機関では、こうした数字をリスク管理に使用します。例えば、-1.96σの数字から保有しているリスク資産の予想最大損失額(95%の信頼度で損失はXX円)の算出等に使用するわけです。当然、これはブラック・ショールズ式の仮定する金融工学的な見地からの予測値であり、必ずしも将来を正確に予測するわけではありませんが、1σ内の数字(=通常の変動)に関してはなかなか期待通りで参考になる数字だ、と言えるのではないでしょうか。
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